特集PC技術

Java言語入門 ~C言語を学んだ君へ~

 

[第15回]クラスライブラリ

今までクラスを作成したり、継承したりしてきました。

ところで、Thread等、実際に作らずに使っていたクラスがありました。
これは、Javaで準備されているクラス群です。
その名をクラスライブラリといいます。

目次

[1] クラスライブラリとは

クラスライブラリは、開発環境(JavaSDK等)をインストールしたときに使えるようになります。
そのため、プログラムを作成する上で自由に使うことができたのです。
Javaクラスライブラリの種類には、Threadなどの他にも様々な種類があります。

ここでは、そのクラスライブラリについて説明をしていきます。

[2] クラスライブラリの種類

パッケージ名 提供内容
java.applet アプレット関連の機能
java.awt 抽象的なWindowsの部品
java.io ファイルやネットワークでの入出力
java.lang Javaの基本的なクラス
java.net ネットワークに関係するさまざまな機能
java.util ユーティリティ機能

クラスライブラリは、このようにパッケージになっており、
それぞれのパッケージが機能ごとに分かれています。
使いたいときに必要なクラスのインポートを行うわけです。
よく使うクラス(java.lang内のクラス)はインポートせずに使うことができます

Thread、System等はインポートせずに使ってきました。
このように、良く使うクラス群をまとめたパッケージを標準パッケージ(java.langのこと)と呼びます。

パッケージとインポートについては、第11回「パッケージ」を参照して下さい。

クラスライブラリを体験してみよう

次から標準パッケージに含まれるクラスライブラリを使っていきたいと思います。

[3] Mathクラス

まずはMathクラスから始めていきます。
Mathは英語のmathematics(数学)の意味をもつクラスです。
よく使われるクラスなので、インポートインスタンス化もなく使うことができます。
このクラスを使うと数学的な処理を行うことができます。
例えば、指数関数、対数関数、平方根といった高校や中学で習った数学の計算を行うことができます。

では、さっそくプログラムを見ていきましょう。

Mathのサンプルプログラム(Java15_01.java)
public class Java15_01{
	public static void main(String args[]){
		
		int int_num = -5;
		double r = 10;
		double circle;
		
		System.out.println("int_numの絶対値=" + Math.abs(int_num));
		
		circle = r * r * Math.PI;
		System.out.println("円の面積(circle) = "+circle);
	}
}
実行結果

Math実行結果

Mathクラスを使ったサンプルプログラムです。
絶対値の数字と、円の面積を求めています。
Math.abs(引数)で、引数の絶対値を返しています。
もちろん、引数はdouble、floatでも大丈夫です。
Mathのほうで、double,floatにも対応できるようにオーバーロードされています。

2つ目は円の面積です。
MathクラスにはPIというstatic変数があります。
これは円周率(円周とその直径の比)のメンバ変数です。

[4] Randomクラス

次はRandomクラスを使いましょう。

Randomのサンプルプログラム(Java15_02.java)
import java.util.*;

public class Java15_02{
	public static void main(String args[]){
		
		Random random_int = new Random();
		
		for(int i = 0; i < 5; i++){
			System.out.println(random_int.nextInt());
		}
	}
}
実行結果

Random実行結果

Random random_int = new Random()で、ジェネレータを作成しています。
その後for文の中で5回int型の値をランダムに作成し、表示しています。

[5] ラッパークラス

ラッパークラスとは、以下のような用途のときに使われるクラスです。

・ 基本データ型、文字列型を参照データ型に変換したいとき
・ 文字列の数字を数値に変換したいとき

基本データ型に対応するラッパークラスの一覧です。
以下のような種類のラッパークラスがあります。

基本データ ラッパークラス
boolean Boolean
char Character
byte Byte
short Short
int Integer
long Long
float Float
double Double
Intergerのサンプルプログラム(Java15_03.java)
public class Java15_03{
	public static void main(String args[]){
		
		Integer num1 = new Integer(100);
		Integer num2 = Integer.valueOf("200");
		String num3 = "300";
		
		int i_num1 = num1.intValue();
		int i_num2 = num2.intValue();
		int i_num3 = Integer.parseInt(num3);
		
		System.out.println(i_num1);
		System.out.println(i_num2);
		System.out.println(i_num3);
		
	}
}
実行結果

Interger実行結果

それぞれの変数(num1, num2 num3)を初期化しています。
その後にそれぞれをint型に変換しています。
Integer.parseInt(引数)メソッドは、引数の文字列を数値に変えるメソッドです。
文字の入力した値などの時に使います。

[6] まだまだあるぞ、クラスライブラリ

このページにいくつかのクラスライブラリを紹介しました。
しかし、これが全てではありません。
他にも様々なクラスライブラリが用意されています。
参考書、APIリファレンス(SDK SE1.4.2)などを見るとよくわかります。
それらの多くは特に覚えるが必要なく、必要な時に調べて使えば良いです。

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